工芸品的家つくり

建築のこと

(考えまとめ中のため、ツラツラ書きますが全部削除するかもしれません)

 理想の家

古い家だけど、これ「いいね!」。
20年後、30年後、いやもっとあとになっても、そんな評価を受ける家を造っていきたいと思う。

てらす・はうす泉(SEN) 

てらす・はうす泉(sen)が竣工に近づたときに、通りすがりの人から
「失礼ですが、この建物は新築ですか?」ときかれた。
はじめは、いやなことを言うなと思ったが、
その後、数人から同様の質問があった。

古い材料は使っていないし、荒っぽい仕事をしたわけではない。
もともと、そこには古くて汚い二階建てのアパートがあって、長いあいだ景色の一部となっていた。

老朽化のため取り壊し、平屋の二戸長屋を新築したわけだが、
元の建物とはまったく違うものだ。

室内

新築建物の評価が「新築ですか?」は、ちょっと悲しい・・・・
しかし「誉め言葉」と思うことにする。

既存空間に新しいものが出現したとき、違和感を感じることがある。
しかし、しばらく経過すると景色に溶け込み自然の風景になってくる。
「新築ですか?」の評価は、すでに景色に溶け込んでいる証拠。
良い評価を得たと思うことにする。

工事をとおして、住宅の設計と施工の指針を再確認し、メンテナンスのことや、今後「建築と、どのように関わっていくべきかなのか」を深く考えることができた。
少し高い授業料になったようだが、大変勉強になった。

 てらす・はうす泉(sen)の設計と施工で考え実行したこと。

平屋建てにこだわる

10年後、20年後のメンテナンスを考慮して平屋建てにした。
健康であれば自分で修理しようと思っている。
  ・仮設工事にお金をかけないでメンテナンスできる形状にする。
   (足場費用はばかにならないし、高所作業の危険性を考慮。)
  ・隣地境界線からの離れをできるだけとること。
   (仮設足場設置のとき隣地になるべく迷惑がかからないように)
  ・軒の高さをなるべく低く抑える。落ち着いたファサード。
   (外壁の面積をなるべく小さくして、仕上げ材料の節約)
  ・屋根の勾配は緩くる。(屋根のメンテナスを安全に行なう)   

   

屋根の形態について

切り妻と片流れの複合屋根にした。勾配は1.5寸。
複雑な屋根は雨漏りの原因になるし、急勾配の屋根はメンテナンスが大変。

緩勾配にして補修のしやすい形態にした。
5~7年で塗装の塗り替え、15~20年で葺き替えが目安。

軒さきもできるだけ出して、外壁を保護する。
屋根はデザインを決定する大きな要素でもあるので、設計は腕のみせどころ。

好きな外壁

今、自分の好きな外壁の素材はカラーガルバリウム鋼板の波板と、道南杉板。
こげ茶色と白の漆喰でバランスをとっている。

板は防腐塗料を塗ったが、5年を目安に塗装が必要となる。
外壁の高さを低く抑えることで、自分でもメンテナスできるようにした。

犬矢来(いぬやらい)は雨垂れの跳ね返り防止と特徴的なデザインが魅力。
ガルバリウム鋼板は屋根の素材と同じものなので、耐久性に優れている。

工業系のサイディングは、素材としての魅力を感じない。
自然に近い素材が人の目にはやさしいと思う。

デザインと構造

力の流れを想定し、荷重がきちっと地盤に伝わるように構造設計された骨組みはとても美しい。
構造が整っていない建物は出来上がりも、いまいち。
不安定な建築は気持ちも不安定にする。

形の美しさと色の関係はとても重要だと思う。
メンテナンスの時期がきて、屋根なり壁の修理が行なわれるとき、当時の色合いを変えてしまうことがある。しかし、できる事なら当時のままに復元されるような建築デザインを目指すべきだろう。

東京駅がリニューアルされたが、まさに当時の形態と色のデザインが一番良いという評価がされたものと思う。

断熱性

省エネルギーで暮らすことは、今や国民の義務だと思う。
エネルギーを作ることが取り上げられるが、基本的にエネルギーのかからない建物をつくることに努力すべき。

基礎断熱とし、外壁は板状断熱材の外断熱、屋根面にウール状断熱材+気密防湿シート貼りの施工をした。北側の外壁面に付加断熱として板状断熱材を間柱間に施工。

技術的なことについて、くわしく別のページに書いていこうと思う。

インテリア

新築の引渡しのとき、カーテンの選定を依頼される。
しかし、ソファーや食卓テーブル、椅子など全てのコーディネートを依頼されることは稀。
手持ちの家具があったり、好みや予算の問題などで、なかなか踏み込めないのが現状だ。

外観とインテリアは密接につながっているが、家具によって室内のイメージは大きく変わる。
なるべく、どんな家具や装飾にもあう様な内装の選定をしてきたが、最近はもっと積極的に関わるべきと考えるようになった。

造付家具であるキッチンのデザインは、インテリアに非常に大きな影響を与える。
また、食卓テーブルを含める周辺の棚類が、想定したインテリアを誘導するように設計し、持込む家具も極力減らす工夫をしている。

建具を含め、既製品を並べていく手法では、画一的な空間しかできない。
「家を買う。」ではなく、「家を建てる。(造る)」のです。

てらす・はうす泉(sen)は、アパートの概念を破り、限られた予算のなかで、手で作るものを増やし、工芸品的造作を心がけた。

大切なこと

土木コンサルタントに勤める友人と話をする機会があった。
彼は測量のため、今でも数十メートルの崖地を上がっていく。
「衛星測量や航空機による測量があるのだから、わざわざ登らなくてもいいだろう。」
と言った私に彼は、
「現場を見なければわからないことがあるんだ。表面だけ見ていてはいけない。」
さすがだなと思った。管理職の彼が、いまだに拘る現場主義。

自分もそのように仕事をしてきたわけで、これからも現場主義に徹して真摯に勉強し、実践してゆこうと思う。

 幸せな暮らし・・

「幸せな暮らし」に建築はどう関わっていけるのだろう。
建築が人を不幸にしてはいけない。

  • 構造強度や耐久性の低い家を造ってはいけない。
  • 過大なメンテナンスが必要な家を造ってはいけない。
  • 残す価値のない家を造ってはいけない。
  • 愛される家でなければならない。

今までの自分が本当に価値のある家を造ってきたのか?
遅くはない。難しいことだが真摯取り組んでいくしかない。

 骨董品的建築

続く

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