工芸品的家つくり

北海道らしさ

  • 北海道らしさについて考える

開墾と開発(伐根の魂)

北海道の歴史は開墾の歴史といえる。
日本全国から入植した人々の、伐根する姿が目に浮かぶ。
維新戦争で賊軍となり、故郷と財政の基盤を失った士族や、新天地を求めて入植した民の開墾は、計り知れない苦労があったことがあきらかだ。

萩の乱や西南戦争などで急に増えた政治犯なども北海道の集治監に送られ、開拓のため農地開墾をはじめ道路開削や炭山の開発などに酷使された。

太平洋戦争の敗戦で復員した兵士や罹災者、樺太・千島・満州からの引揚者の移住も、戦後の混乱と凶作による深刻な食糧不足の対策として推し進められた開墾、干拓および土地改良事業のひとつであり、極めて劣悪な未墾地の緊急開拓は、非常に困難を伴ったものであった。

北海道の雄大で豊かな自然と、農地の融合した美しい田園風景は、あらゆる苦難の末、開拓者が創り出した殖民区画や原野に伸びる道路、用水路、防風林などのが骨格となっている。

あわせて、室町時代から続く松前藩の史跡や、開国により近代文明の玄関口へと変貌した函館、そして明治・大正期・昭和中期にかけて、北海道の経済産業の中心地だった小樽の町並なども大変特徴のある貴重な景観要素となっている。

開拓期に札幌農学校が果たした役割も大きく、牧畜と大規模営農に適したアメリカ型のモデル農場に採用された農業建築物は、日本のほかの地域には見られない、北海道独自の建築景観文化を作り出す原点になっている。

北海道観光と移住

日本じゅうの人々が「北海道らしい景観」の体感を求めて観光したり、移住を考えるのは、風景の雄大さへの憧れや、都市の喧騒から逃れることが主たる理由のようだ。

  • 開拓や開発のあとに続く北海道の未来の可能性・・・
    食料基地として、安住の地として
  • 広大な自然からイメージする自由さ・・・

建築は景観を決定づける大きな要素である。
北海道のイメージを膨らませ、建築を視点にした観光と移住を誘発するデザインを発信してみたい。


北海道らしい建築

北海道のイメージから導く「美の基準」

明治維新以降、国の施策で開墾・開発された北海道の町と農村の風景は、全国各地から入植した人々の文化や習慣が入り混じり、さらにアメリカの様式を取り入れた農業や建築の技術に影響され、独特の景観を生み出した。

1865年(明治2年)開拓使が設けられアメリカからケプロンはじめ45名のアメリカ人が雇傭され活躍した。
本土では英・米・独・仏など多様な外国人で構成され日本の骨格をつくることとなったが、北海道はアメリカが主導した。
バルーン・フレーム構造などの建築や、下見板張りのデザインが導入され、アメリカの様式が定着した。その結果日本の他の地域には見られない農村風景を生み出すこととなった。

新しいものを取り入れる寛容の気質は、固定された慣習にとらわれない北海道人の特徴なのかもしれないが戦後、国の施策で開発が推し進められた結果、公共事業に頼る体質に染まり、北海道民は与えられことに慣れてしまった。
初期の開拓者魂を取り戻し、北海道らしい風土を再構築していくことが必要と考える。

新しいものに価値があるという観念を捨て、先人から受け継ぐ歴史の中に北海道らしさのデザインを見出すことを試みる。

開拓の暮らしから(デザインコード①)

  1. 屯田兵屋と炭鉱住宅。北海道の開拓をイメージする最小限住宅。
  2. 札幌農学校に建てられた模範家畜房(モデルバーン)・牝牛舎・種牛舎・サイロ・穀物庫(北海道大学構内現存)などに見られる建築物
    下見板張りの外壁は北海道独特のデザインの要素であり興味深い。

画像の説明 画像の説明


ギャンブレル屋根の形態
135.jpg 画像の説明

歴史から(デザインコード②)

  1. 松前藩の史跡(城下町や町家のデザインは潜在的な日本人の美意識)
  2. 開国により変貌した函館の建築遺跡(洋学校、五稜郭の築城、洋式造船、キリスト教会など。)
  3. 産業の中心だった小樽に見られる運河や建築郡(鰊番屋・酒問屋・銀行など)

田園の風景(デザインコード③)

  1. 殖民区画が形成する農地や牧場の農村風景
  2. 果てしなく続く道路、水路、防風林の景観

<厚真町ルーラルビレッジを想定した計画>

小高い丘に屯田兵屋を模った小住宅を建築する。
設備は近代的に、間取りはなるべくそのままに囲炉裏を設け当時の生活の一端を体験できる施設とする。
北海道体験のちょっと暮らしを想定し、北海道の魅力を伝える手法のひとつとしたい。
施設の管理運営に地元住民の協力を得ることができれば地域の活性化にもつながると考える。

続く・・・

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